では代表的なフランス文学作品と、そこでのストール/ショールの扱われ方をいくつかご紹介していきましょう。
まず『谷間の百合』(Le Lys dans la vallée)からみていきましょう。
著者は オノレ・ド・バルザック(Honoré de Balzac)。セルジュ・トラヴァルのネックレスにも登場する文豪です。
(作品概要)
バルザックの『人間喜劇』を代表する名作。文豪バルザックは人物の服装描写に非常に細かいこだわりを持っていたことで知られます。
(ストール/ショールの描写)
本作では、ヒロインであるモルソフ伯爵夫人の慎み深く気品ある佇まいを象徴するアイテムとして、肩を包み込むショール(大判ストール)が効果的に描写されています。また、当時の上流階級の象徴であった「カシミアのショール(Châle de Cachemire)」は、女性の優雅さや心の揺れ動きを表現する重要な小道具として度々登場します。
『ボヴァリー夫人』(Madame Bovary)
著者はギュスターヴ・フローベール(Gustave Flaubert)
(作品概要)
夢見がちな女性エマ・ボヴァリーが、現実の退屈な結婚生活に絶望し、華やかな世界や恋愛へと溺れていく物語です。
(ストール/ショールの描写)
写実主義の金字塔である本作では、エマの装いや身の回りの小物が極めて細やかに描かれます。子爵の城で催された舞踏会へ赴くシーンや、愛人との逢瀬に向かう場面など、彼女が身にまとうレースやシルクのショール/ストールは、彼女が憧れる「ブルジョワ的贅沢や洗練された美の象徴」として強く印象付けられています。
19世紀フランス(特に7月王政〜第二帝政期)では、インド産やカシミール産の繊細なウール・シルク織物(カシミア・ショール)が大流行しました。
当時のフランス文学をフランス語原典で読むと、"châle"(ショール)や "étole"(肩掛け・ストール)といった単語が頻出します。当時の作家たちにとって、女性がストールを羽織る仕草やその素材感は、登場人物の人物像や心理状態を伝える舞台小道具です。
ストールやショール(特にカシミアなどの最高級織物)は、もともとは王侯貴族や富裕な特権階級だけが身ににつけることができる極上のラグジュアリーアイテムでした。
Faliero Sarti (ファリエロ・サルティ)は現代ではストールのなかでも最高級とされる素材を惜しみなく使っており、その心地よさはラグジュアリーそのものを体現しています。優雅さを演出するには不可欠なアイテムとして選ばれるブランドのひとつです。ぜひ一枚この年末に揃えてみてはいかがでしょうか。
さて、まだまだ暑い日もありストールを外すこともありますがそんな時に食べたいのが盛岡冷麺+焼肉。まだまだスイカはおいしいですよ💖
【二子玉川ブログ執筆】 戒田 格(かいだ いたる) 横浜在住。学習院大学大学院フランス文学博士前期修了。専門は19世紀に活躍した詩人のロートレアモンです。一見、ファッションとは対極にあるような文学の世界ですが、そこにある『強い意志』や『美への執着』は、私が店頭でご紹介する一点一点の商品にも通じていると現場で日々感じています。 休日はフランス15世紀の発祥のマルセイユ版のタロット占いと研究をしています。 (二子玉川店6年目)