H.P.FRANCE SUMMER ART COLLECTION— 暮らしと身体を彩る "作品" たち —

淡い光を帯びた天然石たちが、首元に花びらのように舞い降りる。
まるで空中に浮かぶ色彩の粒子をすくい取ったような、軽やかで詩的な構成。
メインのピンクオパールは、優しく揺れて、着ける人の心まで柔らかく照らす。
デザイナー、シボーン・オニールが手がけるSWEET PEAは、ロンドンのアトリエで一点一点、手仕事によって生まれる“身にまとうジュエリーアート”。繊細なチェーンと石の配置バランスは、まさに「身体をキャンバスとする彫刻作品」である。

くるりと螺旋を描くホワイトのラインに、ペリドットが瑞々しく実る。
その姿はまるで、つる草が陽を求めて伸びていく“生命の軌跡”を象ったかのよう。
ベア・ボンジャスカはミラノ出身のジュエリーデザイナー。ポップカルチャーと現代アートからインスピレーションを得た、エナメルのカラーとゴールドの融合によるアートのようなジュエリーは、他にはない独自性と躍動感があり、その大胆さに目を奪われます。
このリングは、彼女の代表的な「Vine（つる植物）コレクション」からの一作。ジュエリーを“装いの一部”にとどめず、身につけるアートとして昇華させている。

静謐な闇に浮かび上がるのは、ひとすじの光の曲線。
滑らかに湾曲したフォルムの中に、確かな意志と柔らかな温もりが共存する。一点の無駄もないその造形美は、日本のジュエリーブランドならではの美意識の結晶である。ギクラの作品は、シンプルでありながら深い存在感を宿している。
手に馴染み、時を重ねるごとにその人の人生と呼応していく。それはまるで、指先に宿る“静かな詩”のよう。

静謐な水面に、ひとしずくの光が触れた瞬間を留めたような造形。
グリーンアメジストとトルマリンが奏でる、清らかで儚い輝きが指先にそっと寄り添う。光を透かす石の奥に浮かぶのは、自然がつくる美の断片。
〈shu shu me〉のジュエリーは、森や海、雨粒や泡など、生命のかけらをすくいとるようにして生まれる。
移ろう日々の中で、ふと立ち止まりたくなるような、静かな気配を宿す作品である。

荘厳な祈りの姿が、ポップなパステルピンクに染まる。
これは、信仰という“かたち”に宿る美を、現代の感性で再定義するアートオブジェである。
フランスのブランド「J'AI VU LA VIERGE」は、宗教的シンボルを軽やかに解体しながらも、どこか敬意を感じさせる独自の美学で再構築。ユーモアと皮肉、静けさと毒──そのすべてが調和するこのピースは、まさに“祈りとアートの狭間に立つ”作品といえる。

ページがめくれるたび、物語は雲を抜けて空へ昇る。
無数の書物が、夢と知の象徴として宙を舞うこのスカーフには、まるで古書の挿絵のような緻密さと、現代アートの大胆さが共存する。INOUI EDITIONSの作品は、アートピースとしての完成度と日常使いの軽やかさを兼ね備えたフランス発のテキスタイルブランド。
グラフィックデザイナーのLaurence Kiberlainによるこの作品は、スカーフというキャンバスに、知と遊び心を織り込んだ「知的な装い」の提案でもある。

編み込まれた自然素材のキャンバスに描かれるのは、森の中で出会った動物たちの静かな物語。星のような斑点を持つ黒い鹿、空を横切る鳥、素朴で豊かな植物の装飾──。

一針一針、手作業で施された刺繍には、物語と詩情が宿る。Sophie Digardの作品は、マダガスカルの職人たちとの協働によって生まれる、温もりと美の結晶。
バッグという日用品の枠を超え、持ち主の心に静かな風景を描き出すアートピースである。

まるで市場からそのまま編み上げたかのような、色彩豊かなクロシェ編みの果実たち。イチゴ、バナナ、キウイ…様々な果物がリズミカルに連なる様は、ポップアートと民芸の間を行き来するような軽やかさを感じさせる。
パリのアトリエでデザインされるJAMIN PUECHのバッグは、旅や自然、文化から着想を得た“日常の中のアートピース”。そのユーモアと技巧、そして唯一無二の存在感は、夏の日差しの中でいっそう輝きを放つ。

淡くにじむ墨のグラデーション。
まるで筆が紙に触れたその瞬間をそのまま写し取ったような、静謐なパンダの姿。

WILD ANIMALSが描くのは、単なる“動物柄”ではなく、自然の中に佇む命の気配そのもの。グレーのボディに浮かび上がる黒と白の濃淡が、静かに語りかけてくる。身にまとうたびに、風景の一部になるような、穏やかな一枚。

まるで過去の民話や手織りの布からすくい上げたかのような、ノスタルジックな装飾文様。
このTシャツは、ANTIPASTが得意とする“詩情あるパターンの構築”を、あえてミニマルなTシャツというフォルムの中で表現している。

緻密に織り上げられた柄は、遠目には幾何学模様のように、近くで見ると踊る人々や植物、音楽のような律動が立ち上がる。
“日常を飾る服”というブランドの理念を体現する、静かなるアートピース。