MORRIÑA / D-dueデザイナーとスペインガリシア地方を巡る vol.1
スペイン北西部、ポルトガルに隣接するガリシア州。1960年代から続く、とても小さな老舗ドレスメーカーから生まれたブランドD-due(デ・ドゥエ)は今でもその場所でものづくりを続けています。スペインにある17自治州の中で、バスク州、カタルーニャ州に並び、歴史的自治州として位置づけられるこのガリシア州は、リアス式海岸の語源でもある入り組んだ海岸線"RIA"や緑豊かな山々に囲まれた「緑のスペイン」とも呼ばれる美しい大自然からなる景色、そしてキリスト教巡礼の道の最終地点でもあるサンティアゴ・デ・コンポステーラの大聖堂を持ち、ヨーロッパ各地を中心に、毎年訪れるような根強いファンもいる隠れた名所。近年では四国のお遍路道とも姉妹道として認定され、日本人観光客も徐々に増えつつあります。
一説によるとラテン語のCampus Stellae(星の野原)を語源とするCompostela(コンポステーラ)の名を持つこの地はかつて旅人が北極星を目印に目指したと言われ、エルサレム、ローマと並ぶキリスト教3大聖地のひとつ。9世紀にキリスト12使徒の一人である聖ヤコブの墓がこの地で見つかったとされ、それ以来、多くの巡礼者がこぞって訪れる。帆立貝をシンボルとし、各地に散りばめられた帆立貝のレリーフは、この大聖堂の方角を示しており、このサンティアゴの街でよく見かける。また、多くの巡礼者は帆立貝を身に着けて道を歩く。
巡礼者が目指すロマネスク様式の大聖堂はその入り口によっても様々な顔を持つ。歴史的建造物で修理が頻繁に行われているので、施工カバーされずに見れた人はラッキー。
Catedral de Santiago de Compostela
Praza do Obradoiro, s/n, 15704 Santiago de Compostela, A Coruña, España
サンティアゴに住むチャロがお気に入りのスポット、NUMAXは世界中のアートブックが所狭しと並び、バーカウンターがあるので飲み物や軽食も楽しめる。ミニシアターもあり、選りすぐりの芸術作品を見ることができる。サンティアゴの中心地にありながらも、ひっそりと喧騒を離れ、静かに過ごすことができるので、滞在期間中に毎日行きたくなるようなほっとする場所。スペインの田舎に居ながらもグローバルな情報が手に入るので、現地でのものづくりを徹底しているD-dueのデザイナーにとっては大事な情報源とも言えるだろう。
ミニシアターの内装もとても可愛らしい赤い椅子が並んでいる。どこでも絵になるのがサンティアゴの面白いところ。
NUMAX(URL https://numax.org/)
Concepción Arenal, 9 - Baixo ,15702 Santiago de Compostela, A Coruña, España
1988年から1993年の間にポルトガルの建築家によって設計されたCGAC(ガリシア現代美術センター)は、テラコッタの屋根に囲まれた歴史的な外観が保たれたこの街の中で最も前衛的で刺激的な建物。コンテンポラリーアートを中心に、厳選された作品を展示するこの場所はガリシアのアートシーンの強化と文化的表現の多様性の反映を目的に建てられました。STAUBとD-dueのコラボレーション作品を撮影したD-dueと縁のあるガリシア人アーティストのアルヴァロ・ネグロも過去にこのCGACで展覧会を開催しました。CGACはダイナミックで学際的なセンターであり、音楽、映画、舞台芸術の分野で講義、アーティスト主導のワークショップなどのイベントも企画・運営しています。チャロやアルフレドもよく訪れ、ここでアート鑑賞を楽しみます。また、裏手には修復された古代果樹園と修道院を持つ公園があり、そこでゆっくりとくつろぐ事もできます。
美術館員の方と話すチャロ。美術大学でも教師をしているD-dueのデザイナーはアートシーンの関係者との交流も多い。
Centro Galego de Arte Contemporánea(URL http://cgac.xunta.gal/)
Rúa de Ramón del Valle Inclán, 2, 15703 Santiago de Compostela, A Coruña, España