carmine | デザイナー×バイヤー対談「Enjoy Accessory!蔵前で生まれる、 遊び心あふれる革小物」
H.P.FRANCEが主催する合同展示会「rooms(ルームス)」の出展ブランドを中心に取り扱う「roomsSHOP(ルームスショップ)」のオープン15周年を記念し、長年人気を誇るレザーブランド、carmine(カーマイン)との別注アイテムが誕生。デザイナー 中村美香と、バイヤー 大脇早稀が、ブランド誕生のきっかけやデザインのこだわりを語り合った。

(左)carmineデザイナー 中村美香、(右)roomsSHOPバイヤー 大脇早稀
ブランドの始まりとrooms展示会への出展
大脇 私にとって、carmineはroomsSHOPの長い歴史を代表するブランドの一つのような存在です。carmineはどのような想いから始まったのですか?
中村 手に取った方を楽しませたいという想いから、ブランドロゴにもなっている「Enjoy Accessory!(エンジョイ アクセサリー)」をコンセプトに掲げています。きっかけは、ジュエリー専門学校の講師をしていた頃、授業で「ブランドを立ち上げる」という課題を出すことに。私自身、美大を卒業後すぐ講師となったので、ブランドビジネスのノウハウどころか、社会人としてもほとんど未経験の状態。そこで、「じゃあ、先生が率先して恥をかいてきます」と、自分が身をもって体験するべく、赤い机を並べて表参道で路上販売を始めました。
大脇 本当にお試しでスタートされたんですね!しかも、いきなり路上でとは驚きです(笑)。
ブランド名はどのように名付けられたのですか?
中村 当時、露店を出す時に赤い机を使っていたので、その赤=カーマインレッドから取りました。
本当に手探り状態から始めましたが、道ゆく方々や生徒たちなど、色々な人が買ってくれて、どんどん楽しくなっていきました。
中村 手に取った方を楽しませたいという想いから、ブランドロゴにもなっている「Enjoy Accessory!(エンジョイ アクセサリー)」をコンセプトに掲げています。きっかけは、ジュエリー専門学校の講師をしていた頃、授業で「ブランドを立ち上げる」という課題を出すことに。私自身、美大を卒業後すぐ講師となったので、ブランドビジネスのノウハウどころか、社会人としてもほとんど未経験の状態。そこで、「じゃあ、先生が率先して恥をかいてきます」と、自分が身をもって体験するべく、赤い机を並べて表参道で路上販売を始めました。
大脇 本当にお試しでスタートされたんですね!しかも、いきなり路上でとは驚きです(笑)。
ブランド名はどのように名付けられたのですか?
中村 当時、露店を出す時に赤い机を使っていたので、その赤=カーマインレッドから取りました。
本当に手探り状態から始めましたが、道ゆく方々や生徒たちなど、色々な人が買ってくれて、どんどん楽しくなっていきました。


大脇 学生時代は、貴金属を学ばれていたと伺いました。
中村 はい。美大では工芸を専攻し、ジュエリーの石留めなどを学んでいました。同級生がハイジュエリーを制作するなか、私はフェルトのアクセサリーを作っていたので、今思えばその頃から、ファインジュエリーの価値より“楽しさ”に重きをおいていたのかな。ブランドを始めた当初は、プラスチックのリングやフェルトブローチを制作していました。
大脇 その後、roomsへの出展が転機となり、現在の主力商品であるお財布を展開されるようになったんですよね。当時の印象的なエピソードはありますか?
中村 最初にroomsを訪れた時は、出展した生徒のブースを見学に行ったのですが、「こんな楽しい世界があるんだ」と衝撃を受けました。そこで、私もお試しで出展してみたところまた世界が広がり、雑誌や百貨店関係者、セレクトショップのバイヤーさんと繋がることができました。当初はアクセサリーを紹介していましたが、当時のroomsSHOPのバイヤーさんに「財布を作った方が良い」と提案され、試作したら大きな反響があり、今日までの主力アイテムになりました。
中村 はい。美大では工芸を専攻し、ジュエリーの石留めなどを学んでいました。同級生がハイジュエリーを制作するなか、私はフェルトのアクセサリーを作っていたので、今思えばその頃から、ファインジュエリーの価値より“楽しさ”に重きをおいていたのかな。ブランドを始めた当初は、プラスチックのリングやフェルトブローチを制作していました。
大脇 その後、roomsへの出展が転機となり、現在の主力商品であるお財布を展開されるようになったんですよね。当時の印象的なエピソードはありますか?
中村 最初にroomsを訪れた時は、出展した生徒のブースを見学に行ったのですが、「こんな楽しい世界があるんだ」と衝撃を受けました。そこで、私もお試しで出展してみたところまた世界が広がり、雑誌や百貨店関係者、セレクトショップのバイヤーさんと繋がることができました。当初はアクセサリーを紹介していましたが、当時のroomsSHOPのバイヤーさんに「財布を作った方が良い」と提案され、試作したら大きな反響があり、今日までの主力アイテムになりました。

形も柄もバリエーション豊かなcarmineの革財布。
蔵前での革づくりとデザインについて

大脇 中村さんがレザーアイテムを作り始めた経緯を教えてください。
中村 「台東デザイナーズビレッジ」という、地域の皮革生産を盛り上げるインキュベーション施設に参加したことが大きなきっかけで、地元の工場を紹介してもらいました。墨田区でなめした皮を台東区の工場で加工し、東京の地場産業を盛り上げたいという想いと、食用皮を再利用するサステナブルな背景もあります。
大脇 carmineのお財布は、柄がすごく凝っているのに対して形自体はすごくシンプルで、使いやすいのも魅力ですよね。デザインのインスピレーション源は?
中村 一番はお客様や、家族やスタッフなど身近な人の声です。例えば「ワン」シリーズは、母の「三つ折り財布は収納が多すぎて逆に使いづらい」という意見から、年配の方も使いやすいように、一つのポケットにすべて収納できるデザインを考案しました。あえて仕切りをなくし、色々なところを探さなくても、お札や小銭を一つのポケットにまとめられる仕様で、幅広い世代のお客様から好評です。
大脇 私も「ワン」を愛用中です。確かに、普通のお財布より簡易的な作りですが、本当に使いやすいですよね!幅やカード入れが広く、枚数が入る上に収納場所をざっくり分けられて。とても気に入っています。
中村 「台東デザイナーズビレッジ」という、地域の皮革生産を盛り上げるインキュベーション施設に参加したことが大きなきっかけで、地元の工場を紹介してもらいました。墨田区でなめした皮を台東区の工場で加工し、東京の地場産業を盛り上げたいという想いと、食用皮を再利用するサステナブルな背景もあります。
大脇 carmineのお財布は、柄がすごく凝っているのに対して形自体はすごくシンプルで、使いやすいのも魅力ですよね。デザインのインスピレーション源は?
中村 一番はお客様や、家族やスタッフなど身近な人の声です。例えば「ワン」シリーズは、母の「三つ折り財布は収納が多すぎて逆に使いづらい」という意見から、年配の方も使いやすいように、一つのポケットにすべて収納できるデザインを考案しました。あえて仕切りをなくし、色々なところを探さなくても、お札や小銭を一つのポケットにまとめられる仕様で、幅広い世代のお客様から好評です。
大脇 私も「ワン」を愛用中です。確かに、普通のお財布より簡易的な作りですが、本当に使いやすいですよね!幅やカード入れが広く、枚数が入る上に収納場所をざっくり分けられて。とても気に入っています。

幅広のざっくり収納が特徴の「ワン」シリーズ。

カラフルで立体感のある革加工。
大脇 他にも、carmineのお財布は革製品とは思えない個性的な柄も面白いですよね。レザーでありながら、まるでプリントした生地のように立体的に見えます。
中村 柄は立体感や奥行きが出ると面白いかなと思い、加工を何度も重ねて完成させます。革ではあまり見られない加工や、予想外の色合わせなど、その道のプロではないからこその視点なのかも。この街で、長年革づくりを極めてきた職人さんが見ると「なんだこの作りは」と驚かれたこともありますが、その発想こそ「Enjoy Accessory!」というcarmineのコンセプトとも密接に繋がり、全ては自分が楽しめているかどうかに帰結していると思っています。ただ、あまりに手間がかかるので、職人さん泣かせのようですが(笑)。
大脇 本当に、「これは一体どうやって作っているんだろう」と考えずにはいられないデザインが沢山ありますよね。
中村 職人さんの協力なしでは、成し得ない工程です。
大脇 素材作りの段階から縫製まで、相当な時間をかけて一つの商品が出来上がっているのですね。carmineのお財布は、手に取った時に元気が出るような、そんな魅力があります。日々使う小物だからこそ、洋服では挑戦しづらい遊びを取り入れたいと思っている方が、きっと沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
中村 柄は立体感や奥行きが出ると面白いかなと思い、加工を何度も重ねて完成させます。革ではあまり見られない加工や、予想外の色合わせなど、その道のプロではないからこその視点なのかも。この街で、長年革づくりを極めてきた職人さんが見ると「なんだこの作りは」と驚かれたこともありますが、その発想こそ「Enjoy Accessory!」というcarmineのコンセプトとも密接に繋がり、全ては自分が楽しめているかどうかに帰結していると思っています。ただ、あまりに手間がかかるので、職人さん泣かせのようですが(笑)。
大脇 本当に、「これは一体どうやって作っているんだろう」と考えずにはいられないデザインが沢山ありますよね。
中村 職人さんの協力なしでは、成し得ない工程です。
大脇 素材作りの段階から縫製まで、相当な時間をかけて一つの商品が出来上がっているのですね。carmineのお財布は、手に取った時に元気が出るような、そんな魅力があります。日々使う小物だからこそ、洋服では挑戦しづらい遊びを取り入れたいと思っている方が、きっと沢山いらっしゃるのではないでしょうか。

蔵前にあるcarmineのアトリエ。1Fには膨大なオリジナルレザーの束が。

財布の胴の部分を、専用の機械を使って型抜き。

工具を使いながら一つずつ金具を取り付けていく。

厚物まで縫える工業用ミシンで縫い合わせ。ここまでが下準備の工程。

三つのパーツをそれぞれ準備し、組み立ていく。

長財布の仕切りに使用されるカラフルな革のパーツ。
roomsSHOP 15周年 別注ポーチについて

大脇 roomsSHOPでは以前から、carmineが展開されているパンダや柴犬のポーチも人気なので、今回はroomsSHOPの15周年を記念し、私の愛猫「メロディーちゃん」をモチーフに、別注ポーチを制作いただきました。
中村 メロディーちゃんの眼力の強さを和らげるのに苦労しましたが(笑)、可愛い表情と少し睨んだ表情の2パターンを作りました。紐は、大脇さんの好きなピンク色に。
大脇 猫のデザインをオーダーするのは初めてだったので仕上がりがドキドキでしたが、すごく可愛く作ってくださってとても嬉しいです。お客様にお披露目できるのが楽しみです!
中村 メロディーちゃんの眼力の強さを和らげるのに苦労しましたが(笑)、可愛い表情と少し睨んだ表情の2パターンを作りました。紐は、大脇さんの好きなピンク色に。
大脇 猫のデザインをオーダーするのは初めてだったので仕上がりがドキドキでしたが、すごく可愛く作ってくださってとても嬉しいです。お客様にお披露目できるのが楽しみです!

人気のアニマルポーチ。

メロディちゃんのもちもちぶくろ(右)きょとん、(左)ジト目 各¥4,950(税込)
大脇 最後に、長年のお取り組みの中で、roomsSHOPを通じて印象的だった出来事があれば教えてください。
中村 rooms展示会への出展から始まり、こうして今日までroomsSHOPでもお取り扱いしていただけて、本当に「全て」にありがたい気持ちです。ブランドをスタートした当時はSNSも今ほど普及しておらず、自分達で売る術が分からない私たちのような小さなクリエイターが、食べていけるための売り場を作ってくれました。
carmineも、ブランドを設立して20年になります。もちろん良い時もあれば悪い時もあり、roomsSHOPはずっと支えてくれた存在。私は、ただ物作りが好きだったけど、そこにお客様視点の良いアドバイスも沢山いただきました。SNSが普及している今の世の中でも、実際に手に取って、新しいものに触れる場所があるのは良いことだなと感じています。
中村 rooms展示会への出展から始まり、こうして今日までroomsSHOPでもお取り扱いしていただけて、本当に「全て」にありがたい気持ちです。ブランドをスタートした当時はSNSも今ほど普及しておらず、自分達で売る術が分からない私たちのような小さなクリエイターが、食べていけるための売り場を作ってくれました。
carmineも、ブランドを設立して20年になります。もちろん良い時もあれば悪い時もあり、roomsSHOPはずっと支えてくれた存在。私は、ただ物作りが好きだったけど、そこにお客様視点の良いアドバイスも沢山いただきました。SNSが普及している今の世の中でも、実際に手に取って、新しいものに触れる場所があるのは良いことだなと感じています。

蔵前にあるcarmineのショップ兼アトリエにて。
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carmine取り扱い店舗
>> roomsSHOP新宿店
住所:東京都新宿区新宿3-38-2 ルミネ新宿2 2F
tel:03-3342-0117
Instagram @roomsshop
Buyer's cute cat "Melody" @supercutecat_melody
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