SERGE THORAVAL|Un baiser -接吻-

SERGE THORAVALのコレクションの中でも不朽の名作と言われる、Un Baiser -接吻-
エドモンド・ロスタンド作『シラノ・ド・ベルジュラック』より“接吻”の一節が、細く、不揃いな7本のリングに刻まれている。この愛の詩は1990年、最初に10本のブレスレットに、その後7本のリングに刻まれた。

Un baiser, mais à tout prendre, qu'est-ce?
あらゆる点から考えて接吻とは何だろう?
Un serment fait d'un peu plus près,
少し近いところでする誓い
une promesse plus précise,
より確かな約束
un aveu qui veut se confirmer,
互いに確かめ合う告白
un point rose qu'on met sur l’i du verbe aimer;
“愛する”という言葉をあらゆる細かいニュアンスで表現するバラ色の瞬間(とき)
C'est un secret qui prend la bouche pour oreille,
それは耳に語りかける代わりに口元に語りかける秘密
un instant d'infini qui fait un bruit d'abeille,
それは蜂の羽音を彷彿とさせる不断の瞬間(とき)
une communion ayant un goût de fleur,
それは花の味のする一致
c'est une façon d'un peu se respirer le cœur,
et d'un peu se goûter, au bord des lèvres, l'âme!
それは少し吐息をつき
少し互いの想いが一致する方法 死と隣り合わせで・・・

Edmond Rostand Cyrano de Bergerac

なぜ、この詩はメタルに刻まれたのか。

1990年3月フランス人映画監督がシラノ・ド・ベルジュラックを元にした映画を発表。
この映画の主演俳優の演技に圧倒されたセルジュ、彼はこの戯曲をすべて読んだことが無かったので、その夜からこの戯曲を読み始めた。

セルジュは自身のアクセサリーを作り始めたころで、つるの枝が絡んだような連バングルの鍛金をしていた。
雑誌のスタイリストをしている友人に、撮影に使うバングルを借りたい、と言われていたが「これはまだ未完成だから」と断っていた。

夜ごと戯曲を読み進めていたセルジュは、とうとう接吻の詩にたどり着く。
セルジュはベッドから飛び起きて言った。

「これだ、まさにこれだ!これをブレスレットに刻みたいんだ」

それからすぐに刻印に取り掛かったが、エッチングという作業はセルジュにとってまったく新しいことだった。文字間のスペースやワードの配列など満足できる仕上がりになるまで、多くの時間を要した。セルジュの左指はバイク事故の影響で僅かに支障がでていたので、この作業中、夜には麻痺した状態になっていた。
セルジュはアクセサリーを作る知識が少ない中で、試行錯誤し自分が本当に満足できたものだけを発表していたのだ。

そうしてようやく満足のいく形となった連バングル。
そこに刻まれた接吻の詩は、7連のリングや1本のバングル、ネックレスと様々な形で広がり、
今なお、SERGE THORAVALの代表作として支持を得続けている。


Designer
Serge Thoraval / Rock Thoraval
セルジュ・トラヴァル / ロック・トラヴァル

デザイナーはパリ出身のセルジュ・トラヴァル。独学でジュエリーを作り始め、数々の有名ブランドとコラボレーションした後、自身のブランドをスタート。スターリングシルバーとゴールドにメッセージを刻んだジュエリーが人々の心を捉え、世界中に広まり始めた矢先の1999年、交通事故により他界。以後パートナーであるジュヌヴィエーヴにより引き継がれる。
ブランド創立から20年を経た2014年、息子のロック・トラヴァルがアトリエに加わり、新たなスタートを切った。


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