ひとつ持っているだけで、なぜか安心する。 時代が移り変わっても、色あせない魅力。長く愛されるには、きっと理由がある――。
アッシュ・ぺー・フランスのスタッフが選ぶ“リアル推し”ブランド。今回はオーストリア・ウィーン発の老舗帽子ブランド・MUHLBAUER(ミュールバウアー)に注目。
伝統とモダンを兼ね備えたクラフツマンシップは、日常に静かな品格と心地よさをもたらします。
天然素材を生かした美しいフォルムと、手仕事による独特のニュアンスは、身につける人の個性をそっと引き立てる存在に。気取らず、それでいて印象的。MUHLBAUERの帽子は、装いにさりげない“確信”を添えてくれます。今回は、スタッフ愛用のアイテムを通して、MUHLBAUERの魅力に迫ります。

2005年に入社以来、goldie H.P.FRANCEで過ごしてきました。店頭から始まり、現在は昨年オープンしたDéclicも担当し、国内外ブランドのバイイングや商品企画に携わっています。たくさんのブランドに出会う中で、自分らしいスタイルを支えてくれる「長く愛せるもの」に心を惹かれます。MUHLBAUERはまさにそんな存在。帽子は私にとって、ただのファッションアイテムではなく、“どう着るか”を楽しむための大切なスパイスになっています。(H.P.FRANCEバイヤー TAKAHASHI)

入社してgoldie H.P.FRANCEのショップに立つようになり、MUHLBAUERの魅力にどんどん惹かれていきました。毎シーズン少しずつ集めて、気づけば大切なコレクションに。今はなき渋谷店では、デザイナーのクラウスさんを招いた来日イベントもあり、ハットにサインをもらったのは今でもいい思い出です。老舗ならではの丁寧なつくり、素材の風合い、クラシックとモードのちょうど間をいくような絶妙なバランス。それらがすべて詰まったMUHLBAUERの帽子は、どんな日もそっと寄り添ってくれて、自然体の自分をちょっとだけ格好よく見せてくれると信じています(笑)。

内側にあしらわれたブルーとホワイトのストライプのリボンテープには、ブランドの誠実な物作りへの姿勢がにじみ出ています。
肌に触れる部分にこそ、やさしく、美しく。
何気ないディテールが、装いの完成度を静かに高めてくれます。

MUHLBAUERの帽子の内側に、ふと現れる小さな赤い矢印──。
実はこれ、前後を見分けるためのさりげないガイド。
クラシカルなデザインの中に、遊び心と実用性を忍ばせるその工夫は、長年愛されるブランドならではの心配り。
使い手に寄り添う目線が、細部にまで息づいています。

我が家での収納は、着替えて出かける前にすぐに手に取れるように、リングやブレスレットなど、お気に入りのシルバージュエリーやバッグと一緒に並べています。
気づけば「これも、あれも」と増えて、正確な数はもうわからないほど…。特にはまってしまったのは、MUHLBAUERの定番「BASEキャップ」。フォルムの美しさとかぶり心地の良さが抜群で、つい色違い・素材違いで集めてしまい、気づけば13点も!他のアイテムも含めてベーシックなカラーから、差し色になるものまで揃っているので、その日のスタイルに合わせて選べるのが本当に楽しいです。帽子ひとつで気分もコーデもぐっと変わるから、毎朝帽子を決めるひとときが密かな楽しみになっています。

丸みを帯びた浅めのシルエットと、ちょうどいいカーブのブリムのBASE ベースボールキャップ。

かぶるだけで外に出たくなる気軽さがあって、つい手が伸びます。小顔効果も…ある気がしてます(笑)。

デニム バケットハット・キャンプキャップは、これからの季節にぴったりのデニム素材。ブラックデニムが特にお気に入りで、同じトーンでまとめたコーディネートに合わせたくなります。

最近はキャップやビーニーが多かったので、久しぶりに髪型を変えて、ストローハットに挑戦したい気分。

ブラックのダメージ加工はこなれ感が出てお気に入り。

ナチュラルは、ラフな編み目がリラックス感たっぷりで、休日のお出かけにも◎。通気性も良く、真夏でも快適にかぶれるのがポイントです。

迷彩柄は、夏にシンプルになりがちなTシャツスタイルのアクセントにぴったりです。
今季のコレクションテーマは「PLUS ONE」。どんな時でも、ひとり(ひとつ)よりふたり(ふたつ)が楽しい——そんな気持ちを、帽子を通じて届けてくれるラインナップになっています。私のおすすめは、リネン素材のBASEキャップに、レースのヘッドスカーフを合わせたスタイリング。キャップの中に忍ばせても、上から巻いても、今っぽさが出ておすすめです。

2025年春夏の立ち上がりでも登場したリネン素材のBASEキャップに、レースのヘッドスカーフを合わせたおすすめのスタイリング

コードのカラーをベージュに変えて別注でオーダーしたこの帽子は、全体に統一感がありつつもアクセントになる存在。今一番手に入れたい、特別なひと品です。